■求職者に求めるペルソナは?
いわゆるブルカラーとされる現場職を基幹とした企業の経営者にどのような人材が必要かの声をよく聞く。それは昔から何も変わらない。人材不足にも関わらず「誰でもいいわけではない。やり抜く根性のある人材」と口を揃える。私はこのポリシーを曲げない経営者が大好きだ。なぜなら本当にその人の人生を考えているからだ。抽象的なペルソナかもしれないが、実に核心をつくニーズである。しかしながら売り手市場とうワードが影響を与えているのか、ホワイトカラーへの転職希望者は依然多いため求人倍率が著しく低い。これまでのキャリアを生かすのも必要な選択肢であるが、この市況も然り現実的に目を向けなければならないのがAIの台頭である。何より採用基準が極めて厳しい。いずれバックオフィス業務のニーズは激減することは免れられない。ホワイトカラー職を求めて彷徨う求職者がいることを、売り手市場と一括りにできないということである。言わば、アンマッチ求職難民の大量発生である。ホワイトカラーにおいて突出した頭脳、能力を持つ一握り、或いは仕組み化した者だけが生き残る競争社会で、そこに入れない者がどう向き合わなければならないのか。ブルーカラーワーカーに目を向ければ、人材不足の局面に立たされるもののインフラを支える必要不可欠な職業が多い。アンマッチ市場で転職希望者が溢れる要因は、そもそもの求職者のスタンスに帰結する。求職者に寄り添うことが人材紹介会社の意義であるものの、この思考は矛盾の極みでありお叱りを受けるかもしれない。ただ、キャリアの棚卸し…?、適任職….?、マッチング….? それよりも求職者が覚悟をもって飛び込み、その姿勢を受け入れて一緒に成長していこうとする企業単体として見てみるのも必要ではないか。このようなアンマッチ求職難民を生み出したのもまた、利便性を追求しハイテク化に甘んじた我々自身の責任である。AIが介入できない生身の人間同士の付き合いが当たり前の労働環境は清々しい。ただし、どんな職業も甘くはない。覚悟は必要。転職で今より条件のいい仕事を探しているようでは自己成長もご自身の給与的価値も高めることは困難である、。成長課題はどこにあるのか?転職活動よりも今の仕事、自分に真剣に向き合われ、内省されることをお勧めしたい。(身体的・精神的ご事情や家庭のご事情を抱えていたり失職中の方はこの限りではない。)