■起業家は異質なのか?

前提として、私は何者でもない普通であり、異質ではないと考える。さすれば起業家としての資質さえ疑義が生じるのだがそこは本題ではない。ここ数日、複数の起業家の考えを拝聴する機会があった。本質的な部分は共通している。その決定的な共通点たるは覚悟の次元かもしれない。もう引き下がれないという危機的環境を望んだのか否かにかかわらず、人生の中枢に躊躇なく背水の陣を敷き詰めている。その極限状態で何を見、何を感じたのか。ここにリーダーの資質としての答えが見え隠れする。独立起業は、至極簡単である。その中で差別化を図って生き残ること、雇用創出による組織化で多くの人生を背負い、十年、数十年先を見据えた経営戦略で闘い続けること...。場当たり的な勢いだけでなすすべもなく消え去る企業が存在する中、「これ以上、不幸な人は増やさなくていい」という同じ思いを述べられることもまた印象的である。地位・名誉か?金か?何を成し遂げたいのか?起業の何が美しいのか?その答えを知る者こそ勧めないのかもしれない。この起業家の方々が異質であるとするならば、間違いなく普通では見えない世界で闘い続けた人格者であり、必然であったというかもしれない。