■新しいスタートで価値が問われる分岐点
新しい職でスタートする新人についてよく生む議論とされている。「もっと丁寧に段階的に教えてくれよ。ほったらかしにされる。聞けというがわからないことがわからないから聞きようがない!」という新人の声。一方、慣れたベテランは「私たちだって丁寧に教わってない。見て自分で考えてやるべきだ!」多くの組織が育成環境の構築には頭を抱えているのだが、この双方の主張は議論の土台にも乗らない。いずれも主導性を欠いた思考であり本質を見失っている。そもそも、誰が何を頼んだわけでもなく、全てにおいて自らの意思決定で行動している。その会社を選んだのも自分自身、給与をもらうために出勤した今日の行動ですら自らの決断である。そうでないとするならば何者かの強要の上に成されているものでしかない。何をすべて用意されているかのような期待をしているのか?指示を待つという新人特有の受動的な感覚から抜け出し、「何をすべきか、何が可能なのか」を全神経を集中して察することはできる。ベテランも放任するのではなく実行の監督という主導性を確保し、それぞれが全体のバランス判断と一歩先の仮説立てによる行動ができれば組織は強力になる。それができるか?やろうとする姿勢はあるのか?これこそ、一歩前進を試みることができる人材として評価につながるだろう。間違いなく多くの企業が必要とする人材である。

