■果たすべき責任とは?

「自分には合わなかった」と早期に仕事を辞める決断をする人たち。私も過去に陸上自衛隊の特殊な部隊に挑戦したことがある。全国選りすぐりのレンジャー資格保有者が集い、約50名の受験者の中で、生き残ったのは10数名。そして、合格を勝ち取ったのが7名ほど。合格者は約1年にわたる教育に参加するのだが、私は意志崩れによりリタイアした。教育機関がNGを出すだけでなく多くは本人の意思が崩れてドロップアウトするほど過酷な環境で自分に向き合い続ける。結局教育に生き残り配属されたのは1名だったと聞く。1/50の狭き門である。ドロップアウト、辞める決断をする際、人は盲目になる。まるで自分が悲劇のヒロインかのように。誰に、どれだけ迷惑をかけたのかも想像すらできない。私も辞める理由を100万個くらい考えていたと振り返る...。引き下がることができない状況となった今、如何に自分本位な決断であったかということを悔やんでならない。だからこそ言えるのは、決断が誰にどれだけ影響及ぼし、その決断によって損失を被った人たちがいるということ。組織は売上貢献額の査定対象になるまでは育成という先行投資だ。企業は必ず投資回収を図る。そこに至る前に離職される組織の不利益。自分が一番悩んだのだと主張する離職者。これで社会の一員としての責任が果たせたかどうか?再就職で恵まれた環境で長く続いたとて、それはまぐれであり、既に用意された環境を求めて彷徨い続ける人生かもしれない。あなたの責任は、勇気ある撤退か?それとも危険を顧みない継続か?