■正しさの壁を越え、組織を「再生」させる戦略

仕事において「なぜここまで否定されなければならないのか」という絶望に直面することがある。

この度、旧友からある相談を受けた。 入社以来、不慣れな業務に食らいつこうとする中で繰り返される、上司からの強い叱責。

「自分で調べろ」と突き放され、調べて動けば「勝手にやるな」と撥ねつけられる。

何をしても相手の正解に辿り着けない、出口のない迷路。

そこにある事実は、現代の基準に照らせば明らかなハラスメントである。

・優越的な関係を背景とした言動

・業務上の必要性、相当な範囲を超えた言動

・人格の否定 ・実行不可能な過大な要求

これらは指導などではない。

時代に取り残され、現代のリーダーシップを放棄した、無能な指導者の姿そのものである。

「自分が変わる」という武器

私は彼に、あえて厳しい言葉を投げかけた。

 「結局、自分自身が変わらなければならない。

そうすれば、必然的に相手を変えるチャンスが生まれる」と。

これは、理不尽に対する屈服を意味しない。

相手に主導権を握られた状態を打破し、自分の力で風向きを変えるための「生存戦略」だ。

しかし、同時にこうも伝えた。 「自分一人で背負う必要はない」と。

「いい会社」を自分たちの手で作る

彼は、この会社が好きだと言った。仲間とうまくやっていきたいと願っている。

だが、今の状態はまだ、彼が望む環境ではないのかもしれない。

特定の誰かがいるからダメだ、誰かが辞めれば解決だ、という短絡的な結論を出す組織は、ただの思考停止である。

本来、組織とは、能力の差があろうとも生死を分かつ戦場を共にする戦友であるはずだ。

このような人間を生み出してしまう環境、そしてそれを放置する組織の責任にも向き合わなければならない。

これはどこにでも潜んでいる病理だ。

変われる、成長できる会社へ

彼は来週から、自分を変えるためのチャレンジを始める。

自分を囲っていた「無関心」という殻を破り、組織の輪に一歩踏み込もうとしている。

彼がその一歩を踏み出すのであれば、私もまた別方向からアプローチを開始する。 彼が「自分を変える」努力をする一方で、組織も変化に目を向けなければならない。

「自分が変わる」ことと、「組織が変わる」こと。 この両輪が揃って初めて、その会社は本当の意味で「成長できる会社」へと進化する。

理不尽を、ただの悲劇で終わらせてはならない。

組織再生の糧に変えるための戦いだ。