■人材を選別する企業

人材不足の市場において、必ず矛盾が生じるのは企業が必要とする人材。これは経営資源となり得る貴重な人材が、どのような経験とペルソナを持ち、長期的に貢献できるのかという核心部分である。一方で「社会のセーフティーネット」として人材をゼロベースから育成する覚悟を持つ求人企業も存在する。どちらもそれぞれの大儀があり、経営戦略の一つであることは否めない。ただ、厳しい状況に置かれ続ける求職者が社会から孤立することに関して、どのような対策を講じるべきか。双方の妥協点は必ずある。いや、高齢者があふれる労働市場、その中でもキャリアの互換性が難しい求職者を社会が受け入れていかなければ、いずれ自分たちがその世代に到達した際に淘汰されてゆく。先見の明とは。既にターニングポイントは過ぎている。